瞳の中の華
※直高のショートストーリーです。
BL表現がありますので苦手な方はご注意ください
「直江、この神社で良いのか?」
「ええ、軒猿の情報では、この神社から見る景色がとても素晴らしいそうです」
「ふーん、東京なんてどこも混んでると思ったけど、ここはかなり空いてるんだな」
「そうですね…地元の人しか知らないスポットらしいので。それにしても人気が少ないですね」
「…おい」
「はい」
「…近くないか?」
「そうですか、私はちょうどよいかと」
「(むむ…直江のやつ…)」
「ほら、高耶さん、絶景スポットはこの先のようなので、早速いきましょう」
「あ、ああ…(さりげなく後ろに手を回された…)」
ドーン!
ドドーン! ドドーン!
「すっげーなぁ!!特等席じゃん!!」
「本当ですね。こんなに間近で素晴らしい花火が見られるとは思いませんでした」
「軒猿に感謝しなくちゃなぁ。ふわ~こりゃすげーや♪」
「…高耶さん」
「…直江?なんだ、よ…」
「あなたとこうして二人で花火を見られるなんて…私は…」
「な、泣いてるのか…?」
ぎゅっ
「う、うわっ!なにすんだよ!」
「あなたの瞳に映っている花火を…私にも見せてください」
「な、なんだよ…急に…」
「高耶…さん…」
「ま、待て待て待てっ!!ひ、人が…他にもい、い、いるんだぞ!」
「大丈夫ですよ、みんな花火を見ていて私たちのことなんか気にしませんよ」
「いーや、俺が気にする!」
「…それなら…ちょっとお借りしますよ」
スッ
「これなら…周りからは見えません」
「ず、ずりーぞ…直江…」
「ふふ、なんとでもおっしゃってください…高耶さん…綺麗だ…」
「な、なお…んんっ!」
ドーン!
ドドーン! ドドーン!
素敵な夏をお過ごしください…